転てつ器転換装置

おもり付転換器・普通形
ダルマ式と呼ばれるもので、もっとも簡素な転換装置です。リバーの転換によって直角クランクが上下 し、それによって転てつ器が転換されます。トングレールへの密着はリバーの錘だけであるため力が弱く、重量機関車等の入線する箇所では、開口してしまう可能性が高いようです。数的にはかなり多い転換装置です。

おもり付転換器・エスケープ式
上記普通形の改良形です。直角クランクだけであった部分をエスケープクランク化し、保安度を高めたものです。
形状的には、普通形とほとんど同じです。

エスケープ式転換器
おもり付転換器の改良形です。リバーの転換は水平軸を回転させ、特殊エスケープクランクを介して転てつ器を転換させます。おもり付転換器よりも密着度が高いものです。リバー位置が低いので扱いにくく、定反位の視認性がわるいため、ほとんど普及しなかったようです。

S形ポイントリバー
基本軌条間に設置されたY形クランク・バネ・リンクによって、密着が確保されます。背向割出しになった場合には、せん端軌条を正常に転換させ、またリバーと標識も転換させます。背向割出しでも転てつ器が破壊されることがないので、操車場などで多く使用されています。

標識付転換器
転てつ器標識の下部に転換装置を備えたものです。ハンドルを持ち上げて90°回転することによって転てつ器を転換させ、ハンドルを切り欠き位置に収めることによって密着されます。さらにハンドルにピンを挿入し鎖錠となります。

1号形:転換鎖錠器

転てつ転換器
もっとも一般的な転てつてこを使用し、てこの転換によって転てつ器を転換させて鎖錠も行います。その鎖錠方法の違いによって、3種類に分けられます。

1号形
転換鎖錠器
エスケーププランジャ

2号形
特殊ストレートクランク付エスケープクランク形
特殊直角クランク付エスケープクランク形

3号形
アジャストクランク

2号形:
特殊直角クランク付エスケープクランク形

転てつ双動器
上記と同じ機構を利用し、転てつ器2基を1つのてこで転換させる装置です。同じく、鎖錠方法の違いによって、3種類に分けられます。

1号形
転換鎖錠器
エスケーププランジャ

2号形
特殊ストレートクランク付エスケープクランク形
特殊直角クランク付エスケープクランク形

3号形
アジャストクランク

写真は2号形:
特殊直角クランク付エスケープクランク形

発条転てつ器:縦形
せん端軌条に発条を働かせた割出し装置です。背向きからは割出し、対向のときは発条の力で密 着を確保しています。割出し時は、常に定位に戻ろうとする発条の力がかかりますが、車輪ごとに復位することがないように油緩衝器が設けられます。それに よって列車通過の一定時間後に加速を増しながら復位し、密着を確保します。これら装置を標識下部の本体内に縦方向に収めた縦形です。
国鉄では、この縦形が本格的に採用されました。
標識付転換器と同じく、ハンドルの回転によって手動で反位に転換できます。

発条転てつ器:横形
機能的には上記縦形と同じですが、発条および油緩衝器をせん端軌条と転てつ器本体の間に横置きにしたものです。
標識付転換器と同じく、ハンドルの回転によって手動で反位に転換できます。
発条転てつ器採用初期には、国鉄でも使用されていましたが、現在は私鉄で散見されます。

電空転てつ器
動力転換装置のひとつです。転換指令は電気によって、転換は圧搾空気によって行われ、鎖錠装置も備わっています。俊敏な転換が敏速なので、頻繁に転換される操車場などで多用されてきました。下記電気転てつ機と同じく、用途によって数種類以上あります。
一方、圧搾空気用の設備等が必要であること、また操車場の消滅から、ほとんど見ることはできなくなりました。
鎖錠装置のない簡易形もあります。

電気転てつ機A.B.C…NS形等
もっとも数の多い動力転換装置です。ポイントといえばこの電気転てつ機といえます。転てつ器の転換と鎖錠を行います。電源の違いによる交流用・直流用、また用途別にも細かく分類され、20種類以上にもなりますが、形状的にはほぼ同じです。
鎖錠装置のない簡易形もあります。

電気転てつ機YS形
S形ポイントリバーと同様に、基本軌条間に設置されたY形クランク・バネ・リンクによって、密着が確保されます。背向割出しになった場合には、せん端軌条を正常に転換させます。背向割出しでも転てつ器が破壊されることがないので、操車場などで多く使用されています。
鎖錠装置はありません。