閉塞装置

安全・迅速かつ経済的に列車を運転することであり、進路が開通し対向列車がなく続行列車にも支障しない範囲を保ちながら運転することです。このように列車相互間の間隔を保つこと、一定区間に一列車を運転させることが閉塞の基本概念であり、そのための装置が閉塞装置です。

■閉塞の種類
・時間間隔法:
一定時間が経過すると列車は支障なく目的地に到着したと判定し、続行列車を出発させることができる。
・空間間隔法:
一定の時間をおいて運転し、一定区間を1閉塞区間と定めて、他の列車を同時に運転させないようにする。ほとんどの閉塞方式はこれによるもの。

■閉塞方式(国鉄)

・常用閉塞方式:常時施行する閉塞方式
   複線運転
     自動閉塞式

   単線運転
     自動閉塞式
     連動閉塞式
     連査閉塞式
     通票閉塞式
     票券閉塞式
     通票式

・代用閉塞方式:常用閉塞方式を施行できないときに、代わりに施行する閉塞方式
   複線指導式
   指導式
   伝令法

常用閉塞方式の一覧
国鉄分割民営化に伴い、国鉄[日本国有鉄道運転規則][運転取扱基準規程]と私鉄[地方鉄道運転規則]等の法規が廃止され、JR、私鉄共に[鉄道運転規則]に一本化されました。閉塞方式名および取扱方は旧[地方鉄道運転規則]によるものが引き継がれていますので、国鉄のものはJR化時に名称および取扱方 が変更されています。ここでは国鉄による名称・取扱方を採用します。

●非自動

用途常用閉塞方式名ダイヤ略号装置等開始時期消滅時期
単線通票閉そく式1.2.3.4通票閉そく装置1903
単線票券閉そく式一.二.三.四通券箱1878
単線通票式(1).(2).(3).(4)なし1885
単線連査閉そく式T連査閉そく装置1961
単線連動閉そく式C連動閉そく装置1946
複線双信閉そく式S(当時)双信閉そく装置1899 1965

通票閉そく式 Tablet instrument block system
1878年に英国Edword Tyer氏が考案したTyer’s Tablet block instrumentです。
単線の閉塞区間両端停車場に互いに電気鎖錠関係のある通票閉塞器を一対備え、両端停車場駅長どうしの打ち合わせと協同作業により、任意の片方の通票閉塞器 からその閉塞区間に対する通票を1枚取り出してその閉塞区間に入る列車に携行させる方式です。取り出した通票はどちらかの通票閉塞器に戻さないと新たに通 票を取り出すことが出来ないため、同時に同閉塞区間の通票が複数存在することはなく、当該閉塞区間の通票を携行した1列車のみ入れることで追突、正面衝突 を防ぎます。
隣停車場に到着した列車は携行してきた通票を駅長に渡し、通票閉塞器に収めてから隣停車場と到着の打ち合わせをし協同作業により閉塞解除を行います。これ により新たな列車を進入させる次の閉塞を扱うことができます。一旦通票閉塞器に通票を収めることなく折り返し使用する場合は、通票閉塞器に「通票折返使 用」の札を掲示しなければなりません。票券閉塞式や通票式に比べて複雑な列車運行に対応できます。
通票自体は直径99mm厚み9.5mm砲金製で4種類あり、中央に各種別形状の穴があいています。列車に携行させるときは通票受授具(タブレットキャリヤ)といわれる円状のツル下部に備えられたポケットの中に入れられ、授受を行いやすくしています。停車場を通過する列車は、駅長等(あるい は監視のもと受柱・授柱)と乗務員の間で走行中に通票の授受を行います。1閉塞区間1対の通票閉塞器の中には24枚の通票がありますが、上下列車の本数が 異なると通票の数が片方の通票閉塞器に片寄ることになるので通票調整員が駅長立ち会いのもと通票数の調整をします。
単線区間で最も多く用いられてきましたが、運転要員合理化、列車本数増強等の理由で自動閉塞化の対象になっており、急速に減少しています。

■通票閉塞器
閉塞取扱い時の合図は、渦形電鈴・椀形電鈴・壺形電鈴の3種類があり、異なった音を発します。隣り合う閉塞区間は異なる音にして閉塞区間を音でも区別しています。
赤い箱の閉塞器、閉塞器の上に継電器が見えます。継電器の上部に電鈴が備えられ、また別途連絡用の電話機が備えられます。

■通票
左から、第1種、第2種、第3種、第4種となります。それぞれ、下部の切欠き形状が異なり、異なる区間の通票は通票閉塞器に入れられないようになっています。

票券閉そく式 Staff and ticket block system

単線の閉塞区間両端停車場に互いに通券箱と通信機(電話器)を備え、1閉塞区間1個の通票によるものです。通票 式では交互運転しかできませんが、票券閉塞式では先発列車に通券を携行させ最後の後発列車に通票を携行させることにより連続して複数の列車を同方向に運転 することが出来ます。
通券は常時鎖錠の通券箱に収蔵されており、通券箱スライダーに鍵となる通票をはめ込んでスライダーを押し込んで釦を押すと通券箱の蓋が開き、取り出すこと が出来ます。通券は95mm×65mmのカードで、中央に赤で通票種別形状が印刷されています。また取り出した通券はその日その列車のみの有効で、必要事 項を記入し先発列車に携行させます。隣停車場に到着すると駅長に通券を渡し、両隣停車場間は電信機で打ち合わせをして「閉塞区間に列車なし」を表示する閉 塞票を電信機横に掲げて閉塞を解除します。その後再度打ち合わせをして後続の列車を出発させることになります。同方向最後の列車は通票を携行します。
通票自体は直径100mm厚み9.5mm砲金製で中央に各種別形状の穴があいており、通券箱解錠用の突起がついています。また、第3種(サンカク)では通 票閉塞の通票は形状が上下逆になるなど、通票閉塞式の通票とは寸法および形状が異なります。通券および通票を列車に携行させるときは通票受授具(タブレッ トキャリヤ)といわれる円状のツル下部に備えられたポケットの中に入れ、授受を行いやすくしています。停車場を通過する列車は、駅長等(あるいは監視のも と受柱・授柱)と乗務員の間で走行中に通票の授受を行います。通票が1区間1枚しかないので通票のない側の停車場からは列車を出発させることができませ ん。また単純往復の交互運転時は通券は発行しません。
閑散線区や通票閉塞区間における併合閉塞にも多く施行されていましたが、今では1区間に残るのみです。

■通券箱・通券
通票は、解錠用突起を含めて9.5mmのため、円盤自体は薄くなっています。通券箱スライダーに通票をはめてスライダーを閉じることによって、蓋が開き、通券が取り出せます。

通票式 Tablet block system , Staff system

単線区間において最も簡単な方式です。
1区間1種類1枚の通票を使用し、1枚しかない通票を1列車が携行し、隣停車場(停留所)に到着してから折り返し反対方向の列車が携行します。このため当 該区間を1列車が単純往復する交互運転にしか対応できません。通票を列車に携行させるときは通票受授具(タブレットキャリヤ)といわれる円状のツル下部に 備えられたポケットの中に入れ、授受を行いやすくしています。外見上は、通票閉塞や票券閉塞と同じです。仮に同方向に連続して2列車を運転する場合は通票 を陸送しなければなりません。末端部分で施行される場合は、列車が停車場から末端停留所へ到着し、折り返して停車場に戻ってくるまでが1閉塞区間となりま すので列車運転はこの1往復単位となります。通信を必要とせず、名称に「閉そく」が付かない唯一の方式です。1965年の「運転取扱基準規程」で正式な閉 塞方式となりました。それ以前は代用閉塞のひとつであり、特認扱で閑散線区に施行されてました。
現在JRでは閑散線区の末端部で用いられています。

■通票
左から、第1種、第2種、第3種、第4種となります。

連査閉そく式 Tokenless block system

通票のような物証を使用しないのでトークンレスといわれ、閉塞と信号が連動関係にある方式です。
単線の閉塞区間両端停車場に互いに電気鎖錠関係のある連査閉塞器を備え、また各停車場両端には短小軌道回路を設けます。この軌道回路により閉塞区間への列 車の進入・進出を検知することができます。両端停車場の打ち合わせと協同作業により閉塞てこを取扱い、任意の片方の出発信号機に進行を現示することができ ます。出発した列車は軌道回路に検知され自動的に出発信号機が停止信号を現示し、通過後も停止信号のまま保留します。これを保留現示といいます。腕木式の 出発信号機および出発信号機に従属する通過信号機には信号復帰器を設け、信号てこを扱わずに自動的に停止信号を現示し、また閉塞てこ取扱い完了の後でない と出発信号機の信号てこを反位に出来ないよう、当該てこに電気鎖錠器を設置しています。隣停車場の軌道回路は、到着した列車を検知します。場内信号機を定 位に戻し、両隣停車場間で閉塞解除の取扱いを協同作業で行うことによって、次に当該閉塞区間に入る列車を設定することが可能になります。このため同方向に 列車を運転する場合にも再度閉塞てこを取扱わなければなりません。また停車場間に軌道回路がないため、停車場間で列車分離し遺留車両があっても閉塞を解除 できてしまうので、特に必要な場合は列車後尾検出装置を設けてます。
1961年ダイヤ改正より全国的に気動車による気動車特急・準急網が設定され、通票通過授受に必要な乗務員の合理化、多雪地域での通票通過授受解消等が当 時の課題でした。それらを早急に解決するために、腕木式信号機に信号復帰器を取り付けるだけでそのまま使用でき色灯信号化の必要がなく、通票閉塞式からの 移行を短期間低コストで可能にする方式として開発され、幹線級の長大単線区間を主として全国的に広がりました。しかし、この頃はすでに停車場連動装置継電 化を含む自動閉塞化が主体になっていたことや、羽越本線正面衝突事故でこの閉塞方式に欠陥があるという疑いも絡んで新規施工は1964年で終了しました。 それら連査閉塞区間の自動閉塞化が開始されると、不要となった連査閉塞装置機器は閑散線区に再利用されましたが、閑散線区も自動閉塞化の対象となり現在で は数カ所に使用されるのみです。

■連査閉塞器
閉塞器は、両側閉塞区間のものが一体になっています。閉塞器上部両端には通票閉塞器と同様、両側閉塞区間用の異なった音を発するために、渦形電鈴・椀形電鈴・壺形電鈴の3種類から2種類が取付けられています。隣り合う閉塞区間は異なる音にし閉塞区間を音でも区別しています。配線略図と各種表示灯の下に閉塞 てこが一対設置されています。

連動閉そく式 Controlled manual block system

1946年より正式に施行された方式で、非自動閉塞から自動閉塞への過渡期的な方式といえます。閉塞と信号が連動関係にあります。
単線の閉塞区間両端停車場に互いに電気鎖錠関係のある連動閉塞装置を備え、また連続した軌道回路を設けます。両端停車場の打ち合わせと協同作業により閉塞 てこを取扱い、任意の片方の出発信号機に進行を現示することができます。この際は、通票・連査閉塞と同じく、電鈴合図によって行います。軌道回路が連続し ているため停車場間に遺留車両があれば検知され、閉塞を解除できないようになっています。
また、連続した軌道回路が設備されているため自動閉塞化が容易であり、早期に自動閉塞化されました。現在はわずか1線区に残るのみです。

■卓上電気てこ
連動閉塞装置において、閉塞てこや信号機てこは、この形状の卓上電気てこを使用することが多く、制御盤と一体となった自動閉塞装置状のものもありました。
この他、連絡用の電話機、電鈴などが設置されます。

双信閉そく式 Soshin electric block instrument

日本で考案された閉塞方式です。
複線区間の両端停車場に1対の双信閉塞器を備えます。両停車場間で打ち合わせをしながら協同作業によって閉塞の表示を確認することによって列車の運転をす るものです。各閉塞器中央に出発表示腕(左方)、到着表示腕(右方)があり、各々定位は45°下がった状態です。通票閉塞式、連査・連動閉塞式と同じく両 停車場間では電鈴合図および電話器により打ち合わせをし協同作業によって、列車到着側停車場閉塞器の到着表示腕を水平にした後、出発側停車場閉塞器の出発 表示腕を水平にします。列車到着後は打ち合わせと協同作業により到着側停車場閉塞器の到着表示腕を定位に出発側停車場閉塞器の出発表示腕を定位に戻し閉塞 解除となります。同時に上下線間に列車がある場合は、両停車場閉塞器共全ての表示腕が水平になります。この閉塞器は複線用なので続行列車に対する閉塞のみ を取扱いますが、単線区間で上下列車兼用で施行されていたこともあるようです。
かつては複線区間に広く使用されていましたが、打ち合わせ協同作業だけで物証も軌道回路もないので保安度が低く、複線区間は列車頻度も高いので早々に自動閉塞化の対象となり1965年伊田線自動閉塞化により消滅しました。

●自動

用途常用
閉塞方式名
ダイヤグラム
略号・略称等
集中制御等の場合装置等開始時期消滅時期
複線自動閉そく式AA(RC)
A(CTC)
複線自動閉そく装置1904
単線自動閉そく式A
自動A
A(RC)
A(CTC)
単線自動閉そく装置1932
単線自動閉そく式(特殊)A
自動(特殊)
自動B
A(RC)
A(CTC特殊)
自動閉そく装置(特殊)1968
単線特殊自動閉そく式ー軌道回路検知式S
特殊自動A
特自
S(CTC)軌道回路
検知式
1982
単線特殊自動閉そく式ー電子符号照査式S(E.CTC)
特殊自動B
特自B
電子閉そく
S(E.CTC)電子符号
照査式
1986
単線

複線自動閉そく式・自動A

A
連続した軌道回路を使用し、列車自体によって自動的に閉塞および信号を行う方式です。各停車場には制御盤が設けられ、停車場間には複数の閉塞区間が設けら れます。それぞれの閉塞区間はそれぞれの軌道回路により列車の存在を検知し、自動的に閉塞信号機に現示します。各停車場には運転要員を必要とします。
「線区別閉そく方式変遷一覧」では[A複線]と表します。
AはAutomatic Block Systemの略です。
A(RC)
各停車場での運転扱いを近隣の主要停車場から遠隔制御(Rimote Control)するものです。広義の意味では集中制御(CTC)に含まれますが運転指令系統等とを一元化していないため(CTC)とは区別されます。各 停車場には補助制御盤が設けられ異常時に使用します。被制御停車場に運転要員を必要としません。
「線区別閉そく方式変遷一覧」では[A(RC)複線]と表します。
A(RC)は、自動閉そく式(Automatic Block System)かつ遠隔制御(Rimote Control)という意味です。
A(CTC)
各停車場での運転扱いを 制御所から集中制御(CTC)するもので、運転指令系統等と一元化されています。各停車場には補助制御盤が設けられ異常時に使用します。入換等の多い大停 車場ではCTCから切り離され制御所では表示のみの表示駅とすることが多いです。単純な交換設備の停車場では基本的に運転要員を必要としません。
「線区別閉そく方式変遷一覧」では[A(CTC)複線]と表します。
A(CTC)は、自動閉そく式(Automatic Block System)かつ集中制御(Centralized Traffic Control)という意味です。

■自動閉塞装置
単線自動閉塞区間で、CTC化されていない線区では、このような制御盤が設置されます。両閉塞区間相手側停車場との連絡用の電話機が備えられ、共同作業に より方向てこを転換させて、列車の運転方向を指定します。因に、方向てこは閉塞てこではなく、閉塞は列車によって自動で行われます。これが自動閉塞の由縁 です。
自動閉塞区間はほとんどがCTC化されているため、この装置も数少なくなっています。

■CTCセンター
自動閉塞区間はほとんどがCTC化され、集中的に制御されています。また運転指令も一本化され、駅員要員合理化が徹底されます。

自動閉そく式(特殊)・自動(特殊)・自動B

(特殊)
単線区間において連続した軌道回路を使用し、列車自体によって自動的に閉塞および信号を行う方式です。各停車場には制御盤が設けられ、両隣停車場1対の方向てこがあり、共同して方向てこを取扱うことにより列車の方向を設定します。 停車場間が1閉塞になるため同方向の先行列車が隣停車場に到着するまで続行列車が出発できないのが上記「単線自動閉そく式・自動A」との相違点で、比較的閑散線区に使用されます。
単線専用の閉塞装置で、停車場間1閉塞のため必要により遠方信号機を設置します。
A(CTC特殊)
各停車場での運転扱いを制御所から集中制御(CTC)するものです。各停車場には補助制御盤が設けられ異常時に使用します。制御所から集中制御(CTC) されますが、入換等の多い大停車場ではCTCから切り離され制御所では表示のみの表示駅とすることが多いです。単純な交換設備の停車場では基本的に運転要 員を必要としません。
単線専用の閉塞装置で、停車場間1閉塞のため必要により遠方信号機を設置します。

■補助制御盤
この例は、自動化工事中のもので、通票閉塞器の間に自動化後のための補助制御盤が設置されています。通常、機械信号機は一足先に色灯式信号機になり、自動 化直前には通票閉塞で色灯式信号機を使用する期間があります。その色灯式信号機を制御するためにも補助制御盤が使用されます。
CTC化された線区の被制御駅は、通常無人化されますが、貨物の入替作業時や異常時等はCTCセンターから切り離され、駅独自で制御することができます。 その際に使用するのが補助制御盤です。それまでの通票閉塞器等の設置場所である、駅本屋張出部に設置することが多いです。

特殊自動閉そく式(軌道回路検知式)・S・特殊自動A・特自

S
単線区間において停車場内のみの連続した軌道回路を使用し、列車自体によって自動的に閉塞および信号を行う方式です。全列車貫通ブレーキ化により停車場間 で車両遺留対策の必要がなくなってきたために低コストを目指した方式で連査閉塞式の自動化版といえます。閑散線区に使用され、各停車場には制御盤が設けら れ、両隣停車場1対の方向てこがあり、共同して方向てこを取扱うことにより列車の方向を設定します。
単線専用の閉塞装置で、停車場間1閉塞のため必要により遠方信号機を設置します。
SはSemi-Automatic Block Systemの略です。
S(CTC)
各停車場での運転扱いを 制御所から集中制御(CTC)するものです。各停車場には補助制御盤が設けられ異常時に使用します。制御所から集中制御(CTC)されますが、入換等の多 い大停車場ではCTCから切り離され制御所では表示のみの表示駅とすることが多いです。単純な交換設備の停車場では基本的に運転要員を必要としません。単 線専用の閉塞装置で、停車場間1閉塞のため必要により遠方信号機を設置します。

特殊自動閉そく式(電子符号照査式)・特殊自動B・電子閉そく・S(E CTC)

上記S(CTC)よりさらに低コスト化された方式で電子閉そくと呼ばれ、「61.11」以降のJR閑散線区・第3セクター CTC化に多く使用されている方式です。90年代始め頃まで新設されていましたが、他のCTC装置と根本的に異なるため他線の既設制御所(CTCセンター)内に置くことが出来ない等の理由により、現在新設は無いようです。
上記S(CTC)と同様ですが、主要停車場を管理駅とし運行表示装置(汎用パソコン)により運行監視し、運行管理します。乗務員が携帯無線機から電波の 「出発要求」を発信し、停車場装置との間で列車識別 符号の送受信をおこない、当該列車の運転方向を設定し自動的に信号機等を制御し、同時に進路も設定します。隣接停車場に到着した列車は自動的に列車識別符 号の送受信をおこない現在までの設定を解除し、他列車の方向設定を可能にします。基本的に各停車場に運転要員を必要としません。乗務員が参加する点が従来 の方式と異なります。各停車場には連動制御盤が設けられ異常時に使用します。また各停車場には停車場装置設置のための信号用ハット(白い小屋)が建てら れ、ホーム付近には地上アンテナケーブルが懸架されています。
1989年頃にさらに安価な方式として赤外線遠隔操作型が開発され一部の線区で使用されています。これは、停車中に出発要求赤外線を出発信号機下部等に設 置された受光装置に向けて発射するシステムのため、通過列車を設定できないことからごく一部の閑散線区に限られ、従来型を含めて今後は減少していくものと 思われます。
単線専用の閉塞装置で、 停車場間1閉塞のため必要により遠方信号機を設置します。

電子タブレット閉そく式

上記特殊自動閉そく式(電子符号照査式)のように地上装置と車載装置間の双方向通信を行いますが、軌道回路・信号機を不要とする地方ローカル向き低コストで、今までとは大きく異なった閉塞装置であり、開発中と思われます。
車両側にはあらかじめその車両固有のIDが付与されており、その車載IDと地上装置の間で列車情報および閉塞の状況(出発の可不可)を双方向通信します。 また誤出発防止のために、出発許可がなされるまでは主幹制御器のノッチ回路を遮断するというものです。車内表示器には各閉塞符号(区間電子タブレット)が 表示され、その閉塞が解除されるまで符号を表示を続けるというもので、乗務員は定められた閉塞符号と表示が一致しているかを確認します。つまり、従来の通票閉塞式において「隣停車場と協同作業で閉塞の取扱いをして通票閉塞器から取り出された通票を運転係が乗務員に与え、その通票を携行して隣停車場まで運行」していたものが、「隣停車場装置との情報交換および処理装置の判断において取り出された閉塞符号(区間電子タブレット)を停車場装置から車載装置に無線によって送られ、与えられた閉塞符号を乗務員が確認し、隣停車場までその閉塞符号でもって運行する」ことに代わる、ということです。閉塞符号を区間電子 タブレットと呼ぶように、物的証拠である通票が電子になったものです。
その各閉塞の符号は、丸、四角、三角、星印になっており、 将来この閉塞装置が実現すると通票形状表示と同じような表示が運転士スタフに表記されるのかもしれません。