連動装置


信号機と転てつ器の存在する停車場における保安装置です。信号機と転てつ器のあいだに連鎖関係をもたせることを連動といい、その装置を連動装置といいます。
信号の表示する進路条件等と転てつ器の開通方向が必ず一致すること、また、取扱いの誤りによってその構成を変更できないようにします。

連動装置は、第1種と第2種があり、下記のような装置があります。(国鉄)

第1種連動装置
信号機・入換標識等と転てつ器との相互間の連鎖を、集中されたてこ付近の第1種連動機によって行う装置。

1.機械連動装置
転てつ器および信号機等を機械で操縦され、相互間の連鎖を機械によって行う装置。 (第1種機械連動機を使用)

2.電気機連動装置
信号機等は電気、転てつ器等は機械で操縦され、相互間の連鎖を電気および機械によって行う装置。(第1種電気機連動機を使用)

3.電気連動装置
信号機、転てつ器等を電気で操縦され、相互間の連鎖を機械によって行う装置。(第1種電気連動機を使用)

4.電空連動装置
信号機等は電気、転てつ器は圧搾空気で操縦され、相互間の連鎖を機械によって行う装置。(第1種電空連動機を使用)

5.電気継電連動装置
信号機、転てつ器等は電気で操縦され、相互間の連鎖をリレーの動作によって行う装置。(第1種継電連動機を使用)もっとも多い連動装置である。
標準式-
進路線別式:てこを各々扱うのではなく、信号てこと進路選別ボタンにより列車進路を選別すると進路上の複数の転てつ器が転換され進路が構成される。進路数の多い停車場向き。
標準式-
進路てこ式:進路上の信号てこを取扱うことに寄よって転てつ器を制御し進路を構成する。簡単な構内配線向き。
単独てこ式:標準式-進路てこ式と同様の設備のもので、進路上の転てつてこを転換し進路上の信号てこを転換して進路を構成する。単線自動区間の単純行き違い停車場向き。
鎖錠てこ式-
単独てこ式と同様の設備に加えて、入換作業のために単独取扱いの転てつ器を取り扱った後に鎖錠てこと現場の鎖錠スイッチによって転てつ器を鎖錠させる設備 がある。単独てこ式に入換標識機能を持たせたものといえる。扱いの性質上、第1.5種連動と称される。簡単な構内配線向き。

6.電空継電連動装置
転てつ器を圧搾空気で転換するもので、その他は電気継電連動装置と同じもの。 (第1種継電連動機を使用)

7.電子連動装置
信号機、転てつ器等を電気で操縦し、相互間の連鎖に電子処理装置(コンピュータ)を使用するもの。

各連動装置の保安度の種類
連動装置には保安度による甲、乙、丙の区別がある。
甲:連続した軌道回路により信号現示が制御されるもの。
乙:一部の軌道回路により信号現示が制御されるもの。
丙:軌道回路による信号現示に制御が全くないもの。
ただし上記連動装置のうち、3、4、5、6、7については信号現示が軌道回路により制御されることで成り立っているので甲・乙・丙の区別はない。 1は乙・丙の2種類、2は甲・乙・丙の3種類がある。
○照明軌道盤と制御盤について
列車の存在を点灯で表示する照明軌道盤は軌道回路によるものなので1、2の甲・乙と3・4に設置することができる。5、6には照明軌道盤に進路てこ、選別押ボタン等を組込んだ制御盤が設けられる。7はモニタ−による表示制御盤が設けられる。

第2種連動装置
信号機・入換標識等と転てつ器との相互間の連鎖を、転てつ器付近の現場に分散された第2種連動機によって行う装置。

1.機械連動装置
転てつ器および信号機等が機械で操縦され、転てつ器と信号機の相互間の連鎖を転てつ器付近の機械によって行う装置。信号機 間の連鎖は、てこ背後の駒装置で行うことが多い。(第2種機械連動機を使用)

2.電気連動装置
信号機等は卓上電気てこで操作され、転てつ器は現場のてこで操作する。転てつてこには「電気鎖錠器」を、発条転てつ器には「電磁転てつ鎖錠器」を設けることにより相互間の連鎖をを電気によって行う装置。(第2種電気連動機を使用)

3.継電連動装置
信号機、転てつ器等は制御盤に集中され、転てつてこには「電気鎖錠器」を、発条転てつ器には「電磁転てつ鎖錠器」を設けることにより相互間の連鎖をリレーの動作によって行う装置。(第2種継電連動機を使用)

■各連動装置の保安度の種類
連動装置には保安度による甲、乙、丙の区別がある。
甲:連続した軌道回路により信号現示が制御されるもの。
乙:一部の軌道回路により信号現示が制御されるもの。
丙:軌道回路による信号現示に制御が全くないもの。
1は乙・丙の2種類、2、3、は甲・乙・丙の3種類がある。